『疑似科学の入門』 池内了
- 作者: 池内了
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/04/22
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (77件) を見る
著者は疑似科学が日本でまかり通り、悪影響を及ぼしているという。さて、疑似科学は何か。著者曰く疑似科学は3つの類に分けられる。
第一種疑似科学には、占い系、超能力系、「擬似」宗教系などがある。未来への不安や、現在直面する問題の解決したい心理を上手く逆手にとって、暗示にかけたりする。例えば、占い系で有名なのは血液型占いである。血液型によって、性格が分けられるという話がある。しかし、人間を4種類に分類することは出来ないから、血液型占いに根拠は無いと著者は言う。
第二種疑似科学には、科学の活用・援用・乱用・剽窃・誤用・悪用・盗用に関わる事項である。そこには、科学的装いはしているが、何ら根拠が無いことなどがある。例えばアルカリイオン水。アルカリイオン水は、人体が酸性になると健康に良く無いから、逆のアルカリ成分を体に取り込めば体に良いからというイメージを使って成功したらしい。
第三種疑似科学は複雑系に関わる問題で、それを要素還元主義で考えようとして起こる問題のことを言う。例えば、地球温暖化の問題である。地球温暖化の原因を、要素還元主義で考えようとしても原因が分からので、地球温暖化は人間のせいでは無いと言う人がいる。でも、それでは複雑系の問題は何も対処が出来ないことになってしまうと言う。